フランス・ニースの本物のラタトゥイユ

2001年の9月のある昼下がり、
まだ日差しの強いニースの旧市街の小さな食堂に僕はいました。
約8坪の店内、16席ほどのテーブルは昼、夜いつも満席。
そして、この店は電話がありません。
どんな著名人でも、開店時間に合わせ直接店に出向くか、
満席なら外で席が空くのを待つか。
(でもそれはシェフの気分が良く、材料がまだあるならの話。)
ガイドブックのル・ギード・ルージュ(ミッシュラン)では、
ごまかしのない、真っ当なニース料理が
食べられる店として記載されています。(ただし、居心地は良くないがとも)
シェフは当地ニースの世界的に有名なネグレスコホテルのメインダイニングの
”シャンテクレール”の 料理長をしていた人です。
そんな1級品の腕のシェフの作る料理は、ズッキーニーの花のフライ、
ラタトゥイユ、ひめじのソースピストー、
ストックフイッシュ(塩ダラをもどして煮込んだもの)など、
ニースの素朴な家庭料理ばかり。
ワインは地元のお気に入りの造り手の赤・白・ロゼのみ。
昼、夜メニューは一緒で、料理の味はもちろんその潔さが知る人ぞ知る、
ニースの隠れた名店として認知されています。
今では日本でもなじみある料理、ラタトゥイユは茄子、トマト、
ズッキーニー、パプリカなど、
地中海の太陽の恵みいっぱいの野菜たちから作られています。
ニースのその食堂のラタトゥイユは何気ない素朴な味でしたが、
けれどつい微笑んでしまうような本物のおいしさでした。

北海道の夏、野菜の産地は違えど、
地中海の太陽を思い浮かべながら作る、ラ・サンテの”ラタトゥイユ”。
口に運ぶお客様の笑顔を見るたび、僕もつい微笑んでしまう思い出の味です。

このニースのお店が紹介されています
(2004.6.10記・2007.7.23加筆)

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